抜け毛・薄毛・脱毛の種類

男性型脱毛症(AGA)

男性型脱毛症(AGA)とは男性ホルモンのテストステロンが大きく関係している脱毛症のことです。

・男性ホルモンが血液によって毛根周辺に運ばれる
・皮脂腺において5αリダクターゼが大量に作られていること
・毛根周辺に男性ホルモン、テストステロンのレセプター(受容体)があること

この3つの要因が重なったときに脱毛を促進します。

これはいろいろな脱毛原因のうち最も強力なもので、毛乳頭や毛母細胞を徹底的に阻害し脱毛します。よって、この3つの要因が体質遺伝し、ハゲは遺伝するといわれるのであります。

しかしこの3つの要因のうち、どれかがないとすれば、男性型脱毛症(AGA)になる可能性は小さいといえます。
男性型脱毛症(AGA)の場合、はげる部分は前頭部、頭頂部、後頭部で、さらに脱毛部位が広がると、側頭部だけを残すのみとなります。

最近は女性にも、男性型脱毛症(AGA)(女子男性脱毛症)が時として見受けられます。これはホルモンバランスが崩れ、男性ホルモン優位になったときに起こります。
理由としては生理不順・更年期障害、さらに女性の社会進出によってホルモンバランスが変わることによるもといわれています。



脂漏性脱毛症

脂漏性脱毛症とは、皮脂分泌の過剰な人に起こる脱毛症です。

皮脂は皮脂腺で作られて、皮膚表面で汗と混ざり、皮脂膜を形成しています。皮膚表面における水分の蒸発を防いで皮膚の潤いを保ちます。頭部において皮脂は毛髪の保護に役立っています。毛髪に平滑性を与え、キューティクルが絡み合うのを防ぎはがれおちないようにしています。そしてが濡れたときも、毛髄質への水分浸透を少なくして、短時間での乾燥を可能にしています。

しかしその反面、過剰に分泌すると、毛孔を逆流して毛根周辺を油漬けの状態にしてしまいます。
毛穴の一番下に位置する毛乳頭も油漬けになってしまうと、この毛乳頭から栄養補給を受ける毛母細胞は大きなダメージを受けることとなります。また、皮脂は毛根鞘内にも充満し、毛根とそれを支える内毛根鞘の摩擦抵抗を下げてしまい、が本来持っている固着力(1本につき約50グラム)を低下させて、を抜けやすくさせてしまいます。

さらに皮脂によってふさがれてしまうと、毛母細胞への酸素供給は不足します。毛母細胞は血液から運ばれてくる酸素だけでは間に合わないため、皮膚呼吸によっても酸素をおぎなっています。さらに毛母細胞が毛髪になるためには角化という作用が必要ですが、これも酸素を必要としています。それを皮脂によって毛孔がふさがれてしまえば、酸素の絶対必要量に対して足りなくなります。



良性円形脱毛症

ストレスによる自律神経の失調から引き起こされる脱毛症良性円形脱毛症と呼びます。

あらゆる細胞のうち最も分裂を繰り返す頻度の高い毛母細胞は、血行不良を招きやすい毛細血管から絶えず栄養補給を受けています。血行をコントロールしている自律神経に歪みが起きれば、すぐに血行不良となり、毛乳頭は栄養補給を遮断されて、毛母細胞は細胞分裂を停止してしまいます。そして活力をなくし、抜け毛がとまらなくなり脱毛してしまいます。



悪性円形脱毛症

悪性円形脱毛症とは、自己免疫疾患による脱毛症のことです。

人間の体内に細菌や異物が侵入すると、これを攻撃し、排除する役割を持つのが免疫機構ですが、ストレスによって自律神経がバランスを崩し、各伝達系の組織にも混乱をきたすようになると、免疫機構は正常なコントロールをなくして暴走するようになります。

暴走した免疫機構は、毛母細胞を進入してきた外敵ととらえ、攻撃することになりますが、これは栄養補給の遮断よりも強烈に、かつ短期間に毛母細胞にダメージを与え、脱毛させてしまいます。

免疫機構によって攻撃を繰り返される毛母細胞は、壊滅状態となり激しい脱毛を起こします。攻撃がやみ、しばらくすると発毛しますが、またも攻撃にさらされて脱毛が繰り返されます。そしてついには生えてこなくなってしまうのです。



ひこうせい脱毛症

ひこうせい脱毛症ひこうとはいわゆるフケのことです。
人間の皮膚は基底層、有棘層、顆粒層、角質層から成り立っていて、基底層の円柱細胞が絶えず分裂を続けて新しい細胞を作り、表面に向けて次々と押し上げています。
この細胞は、角質に到達した後、約2週間とどまり、そして最後に角片となって剥がれおちます。これをターンオーバー(角化)といいます。

このターンオーバーは体ではあか、頭部においてはフケのことを指しています。ターンオーバーの周期は、正常な人の場合は28日周期といわれています。当然誰でもフケは出ますが、出過ぎるとのトラブルの原因になります。

内臓の機能低下および障害、食事のアンバランス、度を超した酒やタバコ、さらにはストレスによっても皮膚の角化異常を招き、乾燥肌となってしまいます。このときに雑菌が異常繁殖し、大量のフケを発生させることがあります。

①秋冬の空気が乾燥する時期、または冷暖房による乾燥に頭皮の水分補給が追いつかなくて、頭皮が乾燥しすぎる場合
②脱脂力の強すぎる石油合成系のシャンプーを頻繁に使用して、皮膚トラブルを起こしたとき
③偏食によるビタミン、ミネラルの不足によって角化異常が起きた場合
④皮脂の過剰分泌による脂性のフケ
⑤高齢による細胞活力の低下がもたらす角片の早すぎる剥離  

などのように出すぎたフケが毛孔にもぐりこみ、毛孔がふさがれて雑菌が異常繁殖します。また、このような皮膚トラブルそのものも、毛乳頭を阻害するなどして、毛母細胞にとっては最悪な環境となり、その結果抜け毛が異常に増えることがあります。



産後脱毛症

産後脱毛症女性が妊娠すると、母胎となり出産の準備を始めます。
このとき大きなホルモンバランスの変化によって、毛周期が停滞してしまいます。成長期、退行期、休止期のうち、退行期を迎えて休止期に入り、本来抜け落ちるはずのが退行期のままとどまってしまいます。やがて出産を終えて通常のホルモンバランスに戻ったとき、退行期を迎えたと退行期のままとどまっていたが一気に抜け落ちます。

場合によっては毛の量が80%程度にまで減少します。しかしこれは一時的な毛周期の乱れであって、通常は出産を終えれば時間の経過とともに解消されます。

ところが妊娠や出産が母胎に及ぼす大きな負担によって体調が元に戻らないような場合には、髪も休止期から成長期へ移行できないまま、つまり抜けたままの状態から回復できないケースもあります。これが産後脱毛症といわれています。



その他の脱毛症

症候性脱毛症

各種の熱病や激しい腹痛を伴なう中毒性、ウィルスによる疾病や内臓障害などによって一気に脱毛し、1週間で頭髪のほとんどが抜け落ちてしまうが、時にはすべての体毛が抜け落ちることもあります。この脱毛症の場合、原因となった病気が治ればは急速に生えてきますが、脱毛したまま生えてこなくなる場合もあります。

トリコチロマニー

情緒不安定や、うつ状態などによる精神的なトラブルによって、無意識のうちに、特定の部位の毛髪を自分で引き抜くようになり、これが続くとその部分は生えてこなくなります。抜去癖が原因となる単純な脱毛症ですが、心のケアも同時に行なっていかなければなりません。またポニーテールなどのように、をいつも同じ場所できつく結んでいるとその部分が脱毛することもあります。

薬物性脱毛症

抗がん剤や、副作用の大きい薬品を服用していると起きますが、特に抗がん剤の場合は顕著におきます。抗がん剤はがん細胞が正常な細胞と比較して、異常に早く細胞分裂を繰り返すことに着目し、これを狙い撃ちする薬です。そのため、ほかの細胞よりも速い細胞分裂を繰り返している毛母細胞も、抗がん剤のターゲットになってしまいます。よって、抗がん剤を長期にわたって服用すると、全頭の毛髪が抜け落ちてしまうことになるのです。

瘢痕性脱毛症

重度の火傷や、交通事故、その他の理由によって頭皮を大きく損傷した場合に脱毛することであります。

先天性無毛症

人の体毛も毛髪も、母親の胎内で毛包を形成し発生しますが、数十万人に1人の割合でこの毛包を形成することもなく、もちろん髪が生えることなく誕生することがあります。原因としては、毛包を形成する遺伝子が欠落しているためです。